裁判離婚
  • 裁判離婚の方法と手続き
  • 裁判離婚の問題点    
  • 別居期間と離婚      
  • 成功のポイント
  • 法定離婚原因の歴史     
                                             
調停を経てまだ争いがある場合・・・

わが国の約1%が裁判による離婚です。離婚するか否かを法律によって判断するのですから、裁判官は法律上の原因があるかどうかを考慮します。すなわち法律上の原因がない場合離婚は認められないことになります。以前は浮気をした配偶者からの申立ては退けられていましたが、近年はその結婚生活の実態を考慮しもはや破綻しているという場合には、有責配偶者からの申立ても認められています。この傾向を「破綻主義」の考え方といわれます。

 

●前提

 離婚の場合調停を経てからでなければ裁判を申立てることが出来ない。(3年以上消息不明の場合いは除く)また、法定離婚原因がある場合に限られる。

 ・民法の定める法定離婚原因とは。

@    配偶者に不貞な行為があったとき

A    者から悪意で遺棄されたとき

B     配偶者の勢氏が3年以上明らかでないとき

C     配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

D     その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき


●方法

 原則として@夫婦の共通の住所地、A夫婦の最後の共通の住所地で、夫婦の一方の住所がある場合にはその住所地、B夫婦どちらかの住所地、C日本に住所がないとき又は住所、居所が知れないときは最後の日本の住所、という順番で管轄裁判所が決まります。それでも決まらないときはD東京地方裁判所が管轄裁判所となります。

 管轄はこちらからも調べられます。
最高裁判所ホームページ
  http://courtdomino2.courts.go.jp/home.nsf

訴えに必要な費用

      ア 収入印紙
      ( 請求する内容によって異なりますので,訴状を提出する 
             家庭裁判所へ確認してください。)
       95万円以下ならば8200円、慰謝料500万円請求の場合 
         32600円程度を目安にして下さい。
      イ 郵便切手
    (訴状を提出する家庭裁判所へ確認してください。)

 訴えに必要な書類

ア 訴状 2部
イ 夫婦の戸籍謄本及びそのコピー
ウ その他,源泉徴収票や預金通帳などの証拠とする書類のコピー 2部


裁判離婚の問題点

 協議離婚届や調停申立書等は比較的わかりやすく、一般人でも記入が可能ですが、離婚訴訟の場合の訴状の作成ともなると、素人では対処が困難になります。

  また、離婚訴訟事件の場合、弁護士をつける当事者が年々増加し、全体の95%が弁護士をつけています。ある年をみると52.6%が原告被告双方に弁護士がついており、46.8%が原告のみについています。訴えを起こす側が弁護士に依頼するのは普通のようです。費用の目安は着手金と報奨金がそれぞれ40万円〜60万円となっており、負担も重くなります。

  そして、訴訟になると公開の法廷で行われますので、調停と違いプライバシーを守ることは難しくなります。裁判期間も長期にわたることが多くみられます。

 

「新制度!和解と認諾」

裁判による離婚に「和解離婚」「認諾離婚」が新たに加わりました。どちらも勝ち負けではなく和解は話し合い、認諾は申立てを認めるという事です。どちらも和解、認諾の日が離婚成立の日となります。今までは和解、認諾に離婚の効力がなく協議離婚の一種として扱われていましたが、2004年からはそれぞれの調書に離婚の効力があり、離婚届の提出は報告に過ぎません。


別居期間と離婚

 最近は、別居した夫婦の離婚を積極的に認める風潮があります。(積極破綻主義)
もとに戻らない、夫婦関係が既に破綻している、などの理由で一方が離婚を望んでいなくても
離婚を認める判決がでることがあります。
しかし、具体的に「何年の別居」と規定があるわけではなく、8年でも認められたケースがありますが、
逆に20年、13年でも認められなかった場合もあります。
一方的に離婚を申立てた場合、認められるかどうかは、相手の離婚後の生活が現状と比べて良くなるか
悪くなるかといった判断がされるようです。
 

裁判離婚の成功のポイント
1 裁判に突入した場合は、なるべく弁護士さんをつける
2 自分と波長の合う、信頼できる弁護士さんをみつける
3 時間がかかることは覚悟する
4 自分の思うとおりに進まなくても、逆上しない
5 離婚を望む場合は、不貞や暴力の証拠を確実に揃えておくこと


裁判は弁護士さんに必ず相談する!
裁判には沢山の書類と複雑な手続きがあります。間違いが許されないからこそ、それらがとても重要なのです。
もちろん自分でも裁判はできますが(本人訴訟)、弁護士の先生に必ず相談するべきです。
判決が出てからでは、取り返しがつかない事もありますから、慎重に進めてください。
必要な場合は当サポートでも、弁護士の先生のご紹介をしております。

法定離婚原因が定められた歴史

裁判で離婚が認められる「法定離婚原因」は5つありますが(上記参照)、これらが定められた歴史を遡ると、
「神が合わせられたものを、人が離してはならない」というキリスト教の思想が見えてきます。日本は無宗教国家ですから馴染みのないものですが、西欧諸国では長い間、離婚が認められずにいました。その後、どちらか一方の「有責行為」を理由に相手が離婚請求できるようになり、有責行為の種類も増え、さらに、生死不明や回復の見込みのない強度の精神病の場合、責任がなくても離婚が認められるようになったのです。これらの流れを「有責主義」から「破綻主義」への変化と言います。
日本も最近「破綻主義」になってきていますが、「離婚がしやすくて、離婚のしにくい国」とも言われます。
それは、法定原因に当てはまる事項があっても、裁判所の判断で離婚をさせないという判断できるからです。また有責配偶者からの離婚請求を長い間認めませんでした。浮気をした夫からの離婚請求で「そんな事を認めたら、妻はまさに踏んだり蹴ったりである」俗に言う「ふんだりけったり判決」というものがあったのです。←本当にあったんですよ!法学部出身の方はご存知の方も多いはずですね。それがついに昭和62年の最高裁によって判例変更されたのです。(但し一定の条件はあります)
離婚原因というのも時代とともに変化するものなのですね。